アルティ法律事務所(弁護士瀬戸仲男)のブログ徒然草

アルティ法律事務所(弁護士瀬戸仲男)のブログです。不動産・建築関係や相続・離婚など弁護士業務に関するもの、その他面白そうな事柄について徒然なるままに書いていきます。よろしく、どうぞ。

【 弁護士相談(法律相談)を上手に利用する方法 】

 「裁判所から書類が来た! どうしよう!」などという経験は、めったにあるものではありませんね。真面目に生活していてれば、弁護士さんに相談(法律相談)に行く機会は多くはないはずです。

 しかし、だからこそ、法律相談をしなければならない時に、どうしたらよいかわからない、という人も多いようです。

 今回は、法律相談についての注意点をいくつか整理してみましょう。

 

【1】そもそも、弁護士さんに相談した方がよい場合とは、どのような場合か?

 これは要するに「困った場合、ピンチに陥った場合」という場合が多いと思いますが、それだけではありません。

 以下に、いくつか類型化して考えてみましょう。

 

(1)裁判所から書類(訴状、呼出状など)が来た!

 この場合は、他のことは保留して、できるだけ早く弁護士さんに相談に行きましょう。放っておくと、無条件で負けてしまうこともあり得ます。

 相談に行く際には、届いた書類などを、封筒も一緒にそのまま持っていきましょう。

 たまにいますが、訴状を受け取って、カーッ!となって、破いたり、消えないペンでごちゃごちゃに書き込んだりする人がいますが、冷静になるのが大事です。

 

(2)弁護士から書面(内容証明郵便など)が来た!

 この場合、多くは「話があるので、私(差出人の弁護士)の事務所に来てほしい。」というような内容だと思われます。

 相手はプロの弁護士です。素人が無防備のまま対決しても、良い結果になるとは思われませんね。では、どうしたらよいのか?

 答えは簡単。プロの意見を聞けばよいのです。相手方弁護士から北文書を、他の弁護士に読んでもらって、今後どのようになっていくのか、どのように対処したらよいのか、アドバイスを受けましょう。「生兵法は怪我のもと」ですよ。

 

(3)弁護士をうまく利用してみよう!

 弁護士さんの利用方法は、上記(1)や(2)のような「ピンチ!!」という場合だけではありません。

 何か行動を起こそうとする場合に、事前に弁護士に相談して、自分の行動予定の危険性(リスク)を聞いておくのが良いでしょう。

 弁護士という職業は、紛争が起こってしまった後の処理だけが仕事ではありません。

 紛争にならないように、普段から危機管理(リスクマネージメント)に気を配るのも弁護士の仕事です。

 例えば、皆さんも、病気になった後に医師に診てもらうだけでなく、病気にならないように健康診断を受けたりしますよね。

 それと同じです。悪い状態にならないように、事前に弁護士に相談して、上手に行動するようにしましょう。「備えあれば憂いなし」ですね。

 

【2】弁護士さんを選ぶ基準は?

「弁護士に相談しよう!」と決めても、どのような基準で弁護士を選んだらよいのか、弁護士に依頼するのに何か基準があるのか、気になりますね。

 もちろん、大きな事務所(弁護士がたくさんいる事務所)が良いとか、テレビでCMをやっている事務所が良いというようなハッキリした基準を持っている人は、自分のその基準を信じて、相談に行ってみましょう。

 では、どうしたらよいかわからない人は、どのような基準で弁護士を選んだらよいのでしょうか?

 それはズバリ! 「専門」と「相性」です!

 

(1)まず、「専門」について

 どの業界でも同じですが、専門の人に相談するのがベストですね。

 医師の業界は「外科」、「内科」、「小児科」、「耳鼻科」など専門の看板を出していますのでわかりやすいですね。

 これに対して、弁護士の業界は、専門分野を明示している人はまだ多くはないようです。が、しかし、今はインターネットの時代ですので、専門分野を確認できる場合もあります。大いに利用しましょう。

 そして、弁護士に相談の予約を入れる場合には、遠慮なく「〇〇先生の専門は何ですか?」と聞きましょう

 外国の事件が専門の弁護士に離婚や相続の相談をする、あるい交通事故や労働事件が専門の弁護士に建築や不動産の相談をするのは、お互いに困るでしょうね。

 

(2)次に、「相性」について

 これは本当に重要だと思います。弁護士と依頼者は「二人三脚」です。相性が良ければよい方向に行きますが、相性が悪いと勝てる事件も勝てなくなるかもしれません。

 では、相性の良い弁護士をどうやって探せばよいのか?

 これはもう、会って話をしてみるしか方法がありません。

 何人かの弁護士に会って、話をしてみて、相談しやすい、一緒にやっていけそうな弁護士を選びましょう

 何人もの弁護士に会えば、それだけ相談料が増えますが、皆さんの大事な(一生の)問題を託す人ですから、必要経費だと考えて相談に行きましょう。

 

 以上、長々と書いてきましたが、要するに、皆さんの普段の生活と同じです。

 例えば、皆さんは「今日のランチはどうしようか?」という時に、まさか、ラーメンを食べようと思って、寿司屋に行くなんてことはないですよね(「専門」の問題)。

 あるいは、女性でしたら、気に入った服が見つかるまで、何件もお店を回ったりしませんか(「相性」の問題)?

 弁護士を探すのも同じです。信頼して、一緒にやっていけそうな弁護士が見つかるように努力しましょう。

 

【3】相談に行く時の注意点は?

(1)資料を持参する関係図などを書いて整理して行く

 相談内容に関係するものはすべて持っていくようにしましょう。「これは関係ないかなぁ。」などと自分で勝手に判断しないで、全部持参するようにしましょう。

 それから、相談内容に関係したことを図や表にしておくと、話がしやすいかもしれません。例えば、「相続」の相談であれば、相続人(死亡者)と被相続人(遺族など)の関係図や、遺産の一覧表を整理して行きましょう。

 

(2)相談の時は、自分に都合の悪いことも隠さずに言う

 言いたくないという気持ちはわからないでもないのですが、自分に都合の良い点だけでなく、都合の悪い点も弁護士に話してみましょう。

 自分の弱点を踏まえたうえで対策を立てなければ、後でひっくり返されて、うまくいかなくなります。「天網恢恢疎にして漏らさず」とはよく言ったものです。

 

 以上のとおり、一般的な注意点をピックアップしました。

 これらを参考にして、皆さんが「相棒」となる弁護士に出会えるよう、祈念しています。頑張ってください! では。