【 TVドラマ 「仰げば尊し」 終了に当たって 】
この春からのクールのTVドラマでは、「ビジネスもの」がいくつかありました。
「家売るオンナ」は不動産業界(主演:北川景子さん)
「HOPEー期待ゼロの新入社員」は総合商社業界(主演:中島裕翔くん)
「営業部長 吉良奈津子」は広告業界(主演:松嶋奈々子さん)
それぞれに、各業界の中身(現場の様子)が少しわかって、興味深い内容でした。
特に、以前にもブログに書きましたが「家売るオンナ」は不動産業界の話で、僕自身が、弁護士になる前に不動産会社にいた関係で、注目していました。
実際の不動産業界の現場とはかけ離れている部分もありましたが、概ね、実際の業界の様子がわかって、面白い内容でした。
もっとも、サンチー(北川景子さんが演ずる「三軒家万智」)のような人はめったにいませんが!?
さて、ビジネスもののTVドラマが目に付いたクールでしたが、僕が素直に感じ入ったのは、日曜劇場「仰げば尊し」でした。
寺尾聡さんが演ずる「樋熊先生」が、荒れた高校に赴任して、いわゆる不良の生徒たちをも巻き込んで、「広い世界を見に行こう!」と奮闘努力する物語でした。
僕の印象では、前のクールの「重版出来」(主演:黒木華さん)、その前のクールの「表参道高校合唱部」(主演:芳根京子ちゃん)に通じるものが、この「仰げば尊し」にも引き継がれているように感じました。
それは、
「仲間と一緒に夢を見て、努力することの大切さ」
です。
世間は若者に対して「無気力」だの「無関心」だのと、勝手なことを言うことがありますが、それは、若者に接する大人の側の姿勢の反映であるともいえるのではないでしょうか。
若者は、導き手である大人の背中を見て敏感に反応します。
いくら口では良いことを言っていても、大人の行動が悪ければ、若者から信用されません。当然のことですね。
樋熊先生のように、全身全霊でぶつかって導いてくれる先生のことを「恩師」と呼びます。近頃は、この「恩師」を、とんと見かけなくなったような・・・
僕らが中学生や高校生だった頃は、まだ「恩師」と呼べる先生方がいらっしゃいました。そのころの先生方は、単なる「サラリーマン教師」ではなく、おおげさに言えば、使命感のある聖職者としての一面を備えていらっしゃった、と感じています。
「恩師」が絶滅危惧種っぽくなりつつある現在、「恩師」に出会えることは大変な幸運です。
が、しかし、「恩師」の方から近づいてくることは少ない(あるいは、近づいてきてくれたとしても、そのことに気が付かない)ように思います。
「恩師」が来てくれるのを待っているのではなく、自ら引き寄せる意思が必要であるように思います。
そして、「恩師」を引き寄せることができるタイミングとして、年齢は無関係である、と僕は確信しています。
僕も、高校を卒業してすでに数十年以上が経ちますが、今年、たぶん「恩師」と呼べるようになるであろう人に出会いました。
その出会いは、他人に言われたわけでもなく、自分自身の意思で、進み出て選択したものです。客観的に見れば、「無謀」の一言のような選択ですが、数か月経って、自分の選択が正解だったことが明らかになりつつあります。
皆さんも、いくつになっても、「仲間と一緒に夢を見て、努力することの大切さ」を信じて、今回の貴方の人生を有意義なものにするよう、頑張ってください。
今回の貴方の人生は貴方のものです。
貴方の「応援団長」は、他でもない、「貴方自身」です。
自分を好きになり、自信を持ち、自分を大切にすることこそが、他者(仲間など)をも大切にすることにつながる道だと思います。
この単純な真理を、将来の我が国を背負う若者諸君が理解し、実践し、良き未来を切り開いてくれるであろうことを期待しています。